2009年11月14日土曜日

【書評】デザイン思考の仕事術

 銭谷です。

 「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」 棚橋 弘季 (著)
の感想を書きます。

 この本の好きなところは以下の2点です。

1, 「デザイン・デザイン思考」ついて複数の言葉で説明している

デザイン=
 「デザインは生活に秩序を提案し実現するもの」
 「デザインとは、人自身の生活、生き方、そして、生命としてのあり方を提案する仕事」
 「物だけをつくるのではなくて、物を含めた関係性を作ること」

デザイン思考=
 「デザイナーの感性と手法を用いて人々のニーズと技術の力を取り持つこと」
 「いかにして自分の固定観念、頭のなかのイメージの世界の外に出て異質なものに触れ、それを自身の身体で経験することでまず自分自身が変わり、そして、自分自身の変化を通じて周りも変えて行くための一つの方法」 

 まだまだ多くの言い回しがあったが、一部を抜粋した。
デザインやデザイン思考は、多くの言い回しで語られることが多いが、どんな方でも、この本のなかで一つは共感できる言い回しがあったのではないか。
 僕は特に「自分自身の変化を通じて周りも変えて行くための一つの方法」の部分に共感をした。この本の中でフィールドワークを述べている部分で、著者がフィールドワークの目的を『新奇の発見をすることではなく自分の視点そのものをかけるきっかけを発見すること。「わかる」というのは、そんな風に自分が「かわることを」指します。』と書かれていたところも参照すると、なお、この意味が分かるだろう。
 これからのKDPの活動でも、自分本位のデザインにならず「人間中心」にデザインの過程を楽しむことが重要だと思った。人間中心とは、いかにその人の気持ちになって、


2, 思考ベースと経験ベース


 僕は、この図がとても好きだ。
ideoのhuman centetred designにも似たような図があったが、それとの違いは、思考ベースと経験ベースの行き来する回数が多いところだ。(ideoはV形)。
 一回目のcasestudyを行って思ったことだが、思考ベースと経験ベースの議論はなるべく早い段階で何回も交互に繰り返して行うと良いと思った。
 ただ、この図やideoの図を見て思うことは、実際にcase studyを行うと、このような時系列で奇麗に進むことはない。例えば、問題解決の過程で、また更なる問題発見が訪れたりする。このように何度もプロセスを行き来するニュアンスを、うまくダイアグラムで出せると、なお良い図になると思う。

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