「デザイン思考の仕事術」書評
池田憲弘
「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」 を読んで感じたことをアップします。
僕自身は既にゼミの方で「デザイン思考の道具箱(以下、道具箱と略す)」を読んでいたのですが、基本的に「道具箱」よりも「デザイン思考の仕事術(以下、仕事術)」の方が分かりやすいと感じました。というのも、「道具箱」に比べて「仕事術」の方がデザイン思考の全体像というものを上手く説明できているからです。
武山ゼミでは、「道具箱」や他の2冊(HCD TOOL KIT・「ペルソナ作ってそれからどうするの?」棚橋 弘季 (著))を参考にしながら、今年度の前期にデザイン思考を用いて、小さなプロジェクトをグループに分かれて実行しています。ここで、各グループがつまづいた点が以下の3点でした。
1.師匠・弟子モデルというインタビューの方法
2.ペルソナ作成における、ペルソナのレベル感・作り方
3.魔法のシナリオ(本書ではコンテキストシナリオ)作成
この「仕事術」では上の3つの方法論について、以前読んだ本よりも分かりやすく書いてあり、デザイン思考に始めて触れた人でも実行に移せるような内容になっていると思います。特に2・3のペルソナ、シナリオについては誰でも1度は戸惑う点だと思うので、ちゃんと理解しておいた方が良いでしょう。
ただし、一部は「道具箱」の方が分かりやすいと感じた部分もあります。ワークモデル分析などの部分は「仕事術」では軽く流して書いてありますが、「道具箱」では例となる図が書いてあるので、より分かりやすいと思います。イメージに引っ張られる可能性も否めませんが・・・。部分によって複数の本を使い分けた方が良いと感じる部分もあります。それだけ、まだデザイン思考が方法論として確立していない部分があるのだと思いますが、「仕事術」は今までの本に比べると大分良い構成に仕上がっています。
ただ、やはりデザイン思考は実践から教訓を得るのが一番早いはずなので、この本を読んで、エッセンスやスタンスを学び、あまり方法論に囚われすぎずに実際に何回かプロジェクトを回してみるのが1番良い方法だと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿